物産について
田舎暮らしをするなら、事業ごと作ってしまいましょう。
という事で、成功事例を集めてみました。
成功事例1:馬路地農協 成功事例2 |
30億円の売り上げ
人口1000人の村で、町おこしに成功した事例。高知県にある「馬路村」は人口は約900人、高知県で2番目に人口の少ない市町村です。
村の総面積は166㎢ですが、97%を森林が占めています。特に、森林の75%が国有林であり、県木にも指定されている「魚梁瀬杉」の産地として知られています。
馬路村はもともと、林業で非常に栄えていました。
村全体の面積の96%が森林だという特徴があり、村のほとんどの人たちが林業に携わっていました。杉を植えて材木として販売する事業でしたが、昭和20~30年代にかけて徐々に林業が衰退し、新たな職を求めて村から人口がどんどん流出していきました。
そのようななか、「林業に代わる新たな産業を構築しなければならない」という機運が高まり、“ゆず”に脚光が当たったようです。
昭和38年から馬路村でゆずの栽培が始まりました。
ゆずを販売
商品紹介を地道に何年もかけて行いました
ゆずドリンク「ごっくん馬路村」、そしてポン酢しょうゆの「ゆずの村」を2枚看板に、約70種類の商品を提供しています。
ゆずそのものを商品として取り扱うのではなく、ほぼすべての商品が加工品です。
商品の種類
食品以外にも、ゆずの種からオイルを抽出し、それを化粧品やボディオイルに入れて商品化しました。
ほかにも、新たな商品開発に注力している状況です。
職員が知恵を絞ってアイデアを出し合っています。
『商品力では大手企業にも負けないぞ』という意気込みです。
昭和61年にぽん酢しょうゆ「ゆずの村」を発売し、昭和63年に西武百貨店の「日本の101村展」で最優秀賞を受賞
馬路村農協の商品が世間に認知されていきました。さらに、昭和63年に発売された、はちみつ入りゆず飲料「ごっくん馬路村」も平成2年に「日本の101村展」で農林部門賞を受賞
売り上げを伸ばしていきました。
売り方について
商品名に村の名前を入れて 「村を丸ごと売り込む」をコンセプト
「馬路村を売り込んでいる」という点ですね。「田舎を売り込んでいる」とも言えます。
ひと昔前であれば、田舎はマイナスイメージにしかとらえられませんでした。山奥でなにもない地域、自然しかない。しかし、それを強調することにしたのです。
【具体的な売り方】
物産展への積極的な出展、通信販売の実施を通じて、 昭和 60 年代からリピーター顧客の獲得をすすめ、独自のネ ットワークを全国に形成した。
自然に満ちあふれている「田舎」として売り込むことを心がけました。そのほうが、一般消費者の方々も愛着がわくと考えたのです。
「堂々たる田舎であり続ける」が私たちのキーワードです。
また、商品や請求書発送の際にはお礼のメッセージを入れるなど、真心が伝えられるできる限りのことを行っています。
成功させるには
地元の人の熱意が大事
大切なのは、その土地に愛着があるかどうかだと思います。
昭和38年にゆずの栽培を始め、その後に販路拡大に取り組み、なかなか結果が出ず苦しんだときも「本当になんとかしてやっていこう」と村全体が一致団結しました。
ほかの自治体以上の「危機感」が村にあったことは確かですが、「この村をなくしたくない」という想いでいっぱいでした。また、馬路村の名前が全国のみなさまに浸透しただけでなく、我々農協が経営するスーパーマーケットの運営コストの一部を、ゆずの収益でまかなうことができるため、村民に利便性向上といったメリットを提供できています。
これからも村のため、一生懸命に商品開発していきます。
【参照】